卒業生の声:フェロー体験談

卒業生の声~フェロー体験談 (原 哲子さん)

ロータリー平和フェローとして、2008年~2009年にイギリスのブラッドフォード大学に留学しました原 哲子と申します。私は大学卒業後、旅行会社に7年間勤務、退職後に青年海外協力隊として、エチオピアへ2年間「観光インストラクター」として派遣されました。帰国後、旧ユーゴスラビア国から独立したボスニア・ヘルツェゴビナ国の駐日大使館で大使秘書として勤務しました。
 
平和フェローに応募したきっかけは、紛争経験国の大使館で勤務していたため、外交官から旧ユーゴスラビア解体に伴う報道されることのない内なる声を聞く機会を得、紛争後の経済復興、平和構築において「観光産業が貢献できる可能性」について研究したいと考えたからです。イギリスの平和フェロープログラムですが、イギリスの修士課程が1年間であるため、修士課程1年間と実地経験の期間を含めて約1年3カ月のプログラムとなります。修士課程1年間という短期間に、数ある文献を読み、与えられた課題について背景を理解、分析、自分の考えをまとめ、レポートを作成する作業の連続で、慣れない英語での文献レビュー、レポート作成にかなり苦労もしましたが、その経験は現在では大きな糧となっています。また平和フェロープラグラムの特徴は、実施経験の機会が与えられるという点で、私の場合アルバニアの国境地帯にある山間地域において、観光客を受け入れることで村の現金収入向上を支援するNGO活動に参加しました。平和構築は学際的学問と言われるように、さまざまな専門分野からのアプローチがあります。平和フェロープラグラムに参加したことで、多種多様な専門性を持ち、さらに国籍を超えたネットワークを構築できたことに、大変感謝しております。
 
現在は「持続可能な観光開発」の実現を追求する開発コンサルタントとして、これまでエチオピア、モザンビーク、ケニア、オマーン、イラン、パレスチナにおいて、国際協力機構のプロジェクトを実施してきました。プロジェクトを実施する上で、各国それぞれで民族や宗教が絡まりあう複雑な社会背景を理解し地元住民と対話することは基本であり、平和フェローとして修士課程で得た知見や現場経験が大変役に立っています。
 

 
 

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